「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」の改正

改正の概要

平成22年1月13日に、日本公認会計士協会から「会計制度委員会報告第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」の改正について」が公表されました。

本改正により、親会社が在外子会社の株式を追加取得又は一部売却した場合の振替額について、「のれん」の記述が明確化されました。

為替換算調整勘定とは

在外子会社等の財務諸表の換算手続において発生する為替換算調整勘定は、「決算時の為替相場」で換算される資産及び負債項目の円貨額と、「取得時又は発生時の為替相場」で換算される資本項目の円貨額との差額として計算されます。

すなわち、為替換算調整勘定は在外子会社等の貸借対照表項目の円貨への換算手続の結果発生し、在外子会社等の経営成績とは無関係に発生するものであるため、純資産の部の独立項目として累積されます(第75項)。

為替換算調整勘定の内容

為替換算調整勘定の内容は、全面時価評価法により在外子会社の資産及び負債について少数株主持分割合を含めて時価評価を行うため、評価差額に係る為替換算調整勘定も少数株主持分を含む全持分から発生することになります。

改正前は、「親会社が在外子会社の株式を追加取得又は一部売却した場合、在外子会社の親会社持分と少数株主持分額との振替額は一致する」となっていましたが、今回、「親会社が在外子会社の株式を追加取得又は一部売却した場合、在外子会社の親会社持分(のれんの換算部分を除く)と少数株主持分額との振替額は一致する」(第75項)と記述が明確化されました。

設例においても、為替換算調整勘定の内容として、のれんの換算により発生した部分の分析が追加されています(設例11、12、13)。

適用時期

平成22年1月13日より適用。

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