IFRS 第1号 国際財務報告基準の初度適用の概要
IFRS 第1号「国際財務報告基準の初度適用」における基本的概念
初度適用企業は、財務数値の大部分についてIFRSの遡及適用が要請されます。
適用範囲
本基準は初めて作成するIFRSベースの財務諸表およびその年度における四半期報告に適用します。
基本的な取扱い
IFRSベース財務諸表開示対象期間(2015年3月期より強制適用の場合、且つ3月決算を前提)
2013年3月期より3期分:B/S (*1)、調整表
2014年3月期より2期分:包括利益計算書、(P/L(*2))、キャッシュ・フロー計算書、持分変動計算書、関連注記、調整表(2014年3月期のみ)
(*1)2013年3月期は、正確には2013年4月1日における開始B/Sである。
(*2)包括利益計算書に含めず開示する場合。但し、現在基準の改訂中。
日本基準との差異の取扱い
特段の取り決めのない限り、利益剰余金にて調整します。
遡及適用禁止規定
IFRS移行日以降に入手した情報によってIFRS開始B/Sを歪めることがないよう、以下の項目の遡及適用が禁止されています。
- 見積り
- 金融資産・負債の認識の中止
- ヘッジ会計
- 非支配持分(日本基準における少数株主持分)
遡及適用免除規定
過大なコスト負担を企業に強いることがないよう、以下の項目はIFRS遡及適用が免除されています。
- 企業結合
- 有形固定資産、無形資産、投資不動産のみなし原価
- 従業員給付-数理計算上の差異に関する処理
- 外貨換算差額
- 以前に認識した金融商品の指定
- 複合金融商品(転換社債、新株予約権付社債等)
- 借入費用の資産化
- 株式報酬取引
- 保険契約
- リース
- 子会社、共同支配会社、関連会社への投資
- 子会社、関連会社及びジョイントベンチャーの資産及び負債
- 金融資産・負債の公正価値決定
- 有形固定資産の原価に算入される廃棄負債
- サービス譲与契約
開示
- IFRS適用の影響額を開示
- 重要な経営指標等に記載するIFRS移行日以前の数値は、日本基準ベースでも可
- IFRS適用初年度の四半期報告書は、IFRS適用数値にて開示