東証『「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の開示内容の分析』の公表について

1.はじめに

2019年8月1日に株式会社東京証券取引所(以下、「東証」)は「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の開示内容の分析を公表しました。

これは、2015年3月31日以後に終了する通期決算に係る決算短信から開示が求められることとなった、「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の開示内容について、東証が分析を行ったものです。今回開示された分析は、2018年4月期から2019年3月期までの東証上場企業3,639社の決算短信に記載された開示内容を集計しています。

2.IFRS適用会社数の推移

分析対象会社3,639社を分類すると、以下の状況です。

①IFRS適用済会社(198社)
2019年6月30日までに、IFRSにより連結財務諸表又は四半期連結財務諸表を提出済の会社

②IFRS適用決定会社(16社)
2019年6月30日までに、業務執行を決定する機関が、IFRSの適用を決定して開示した会社

③IFRS適用予定会社(11社)
業務執行を決定する機関が、IFRSの適用を決定していないが、「基本的な考え方」において、IFRSの適用を予定している旨を記載した会社

④IFRS適用に関する検討を実施している会社(189社)
「基本的な考え方」において、IFRSの適用に関する検討を実施している旨を記載した会社

⑤その他の会社(3,225社)
□将来のIFRS適用の可能性のみに言及している会社
□現在適用している会計基準のみに言及している会社

2019年6月末時点では「①IFRS適用済会社」、「②IFRS適用決定会社」、 「③IFRS適用予定会社」の合計が225社となっており、それらの時価総額の合計は220兆円、東証の市場全体の時価総額605兆円の36%を占める規模となっています。

2018年においては上記の割合が33%であったことから、前年比+3ポイントとなっており、IFRSの適用会社の数は堅実に増加している状況にあります。

3.業種別のIFRSの適用状況

「①IFRS適用済会社」、「②IFRS適用決定会社」、「③IFRS適用予定会社」が存在する業種は33業種中、27業種となっており、業種の数も前年比+3業種となっています。

業種別の会社数は、電気機器(27社)、サービス業(27社)、情報・通信業(25社)、医薬品(18 社)、輸送用機器(18社)といった業種で「①IFRS適用済会社」、「②IFRS適用決定 会社」、「③IFRS適用予定会社」の合計数が多い状況です。

4.参考資料

本分析資料の詳細は、以下をご覧ください。
https://www.jpx.co.jp/news/1020/20190801-02.html

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