「金融商品に関する会計基準」、「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」

基準等の概要

金融商品の時価情報に対するニーズに対応して、開示の充実を図るため、「金融商品に関する会計基準」の改正が行われるとともに、「時価等の開示に関する適用指針」が平成20年3月10日に公表されました。

注記事項(適用指針3項4項)

金融商品の状況に関する事項、および、金融商品の時価等に関する事項を注記します。ただし、有価証券、デリバティブを除き、重要性が乏しいものは注記を省略することができます。重要性の判断基準は明示されていないため、企業ごとに判断基準を設ける必要があります。

なお、連結財務諸表において注記している場合には、個別財務諸表における注記は必要ありません。

金融商品の状況に関する事項(会計基準40-2 項(1)、適用指針3 項)

  1. 金融商品に対する取組方針
  2. 金融商品の内容及びそのリスク
  3. 金融商品に係るリスク管理体制
  4. 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明

金融商品の時価等に関する事項(会計基準40-2 項(2)、適用指針4 項及び5 項)

  1. 原則として、金融商品に関する貸借対照表の科目ごとに、貸借対照表計上額、貸借対照表日における時価及びその差額並びに当該時価の算定方法を注記します。
  2. 有価証券については、1.に加え、保有目的に応じて①売買目的の有価証券、②満期保有目的の債権、③その他有価証券に区分し、それぞれについて所定の事項を注記します。また、保有目的の変更に関する事項及び減損処理に関する事項を注記します。
  3. デリバティブ取引(ヘッジ会計が適用されているものを含む。)については、1.に加えて、取引の対象物の種類(通貨、金利、株式、債券及び商品等)ごとに、契約額、時価及び時価の算定方法等を注記します。
  4. 金銭債権及び満期がある有価証券(ただし、売買目的有価証券を除く。)については、償還予定額の合計額を一定の期間に区分した金額を注記します。
  5. 社債、長期借入金、リース債務及びその他の有利子負債については、返済予定額の合計額を一定の期間に区分した金額を注記します。
  6. 時価を把握することが極めて困難と認められる金融商品については、概要、貸借対照表計上額及び時価の把握が困難である理由を注記することで、時価の注記は不要となります。

四半期財務諸表における注記事項(適用指針40 項)

四半期財務諸表においては、時価のある満期保有目的の債券、その他有価証券、デリバティブ取引の時価等について、前年度末と四半期会計期間末を比較して著しい変動がある場合に、当該四半期会計期間末の情報を注記することとしています。

適用時期

平成22 年3 月31 日以後終了する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用します。

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