「企業結合会計に関する会計基準」及び関連する他の会計基準等の公表について

1.はじめに

平成25年9月13日に、企業会計基準委員会より、改正企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」及び関連する他の改正会計基準等が公表されました。

企業結合会計等については、以前よりステップ1とステップ2とに区分して見直しを行うこととされていました。
ステップ1は平成20年12月に完了しており、このたびステップ2が完了したことから、上述の改正基準等の公表が行われました。

この改正は、主にIASB(国際会計基準審議会)及びFASB(米国財務会計基準審議会)における共同プロジェクトとして取り上げられた論点を対象として審議が行われ、寄せられたコメントに対する検討を経たうえで、基準として承認されたものです。

2.改正された企業結合会計基準等の概要

改正された基準等の概要は、下表のとおりです。
(※ 基準名は略称で記載しています。)

改正された
会計基準
改正された
会計トピック
変更前 変更後
企業結合会計 取得関連費用 ● 取得の対価性が認められる一部の報酬、手数料等は取得原価算入
● それ以外は発生時費用処理
すべて発生時費用処理
暫定的な会計処理の翌年度における遡及処理 しない する
⇒暫定的な処理を行った前事業年度の数値を調整
連結基準 子会社株式の追加取得により生じた持分増加額と投資額との差額 のれん(又は負ののれん) 資本剰余金
子会社株式の一部売却により生じた持分減少額と売却額との差額 子会社株式の売却損益の修正 資本剰余金
子会社株式の時価発行増資等により生じた持分増減額と払込額との差額 (原則)損益
(例外)利益剰余金
資本剰余金
事業分離会計 事業分離により新たに子会社になった場合の事業分離による発生差額 持分変動差額 資本剰余金
子会社の事業分離により子会社株式を追加取得する場合の発生差額 ①分離先企業(子会社)に対する追加取得差額
⇒のれん(又は負ののれん)
②分離元企業(親会社)に係る事業移転差額
⇒持分変動差額
資本剰余金
純資産の
表示基準
親会社以外の株主持分に関する表示 少数株主持分 非支配持分

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