「企業結合に関する会計基準(案)」及び関連する他の会計基準等の改正案の公表

平成25年1 月11 日に、企業会計基準委員会より、企業会計基準公開草案第49 号(企業会計基準第21 号の改正案)「企業結合に関する会計基準(案)」及び関連する他の会計基準等の改正案が公表されました。本公開草案に対するコメントが募集されており、期限は平成25年3月15日までとなっています。

改正案は以下のとおりです。

  • 企業会計基準公開草案第 49 号「企業結合に関する会計基準(案)」
  • 企業会計基準公開草案第 50 号「連結財務諸表に関する会計基準(案)」
  • 企業会計基準公開草案第 51 号「事業分離等に関する会計基準(案)」
  • 企業会計基準公開草案第 52 号「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準(案)」
  • 企業会計基準公開草案第 53 号「株主資本等変動計算書に関する会計基準(案)」
  • 企業会計基準公開草案第 54 号「包括利益の表示に関する会計基準(案)」
  • 企業会計基準公開草案第 55 号「1株当たり当期純利益に関する会計基準(案)」
  • 企業会計基準適用指針公開草案第 48 号「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針(案)」
  • 企業会計基準適用指針公開草案第 49 号「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針(案)」
  • 企業会計基準適用指針公開草案第 50 号「株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針(案)」

1.主な改正内容

(1)  表示方法に係る事項

表示については以下のとおり変更されます。

   (現行)                               (改正案)

  • 少数株主持分                      ⇒非支配株主持分
  • 少数株主損益調整前当期純利益    ⇒当期純利益
  • 当期純利益                        ⇒親会社株主に帰属する当期純利益
  • 少数株主損益                      ⇒非支配株主に帰属する当期純利益
  • 1株当たり当期純利益           ⇒1株あたり親会社株主に帰属する当期純利益
  • 潜在株式調整後1株当たり当期純利益⇒潜在株式調整後1株当たり親会社株主に帰属する当期純利益

上記変更に伴い、

  • 2計算書方式の場合、「当期純利益」に「非支配株主に帰属する当期純利益」を加減して「親会社株主に帰属する当期純利益」を表示します。
  • 1計算書方式の場合、「当期純利益」の直後に「親会社株主に帰属する当期純利益」及び「非支配株主に帰属する当期純利益」を付記します。

(2)非支配株主持分の取扱い

a) 子会社株式の追加取得・一部売却等

【現行】

子会社株式を追加取得した場合、追加取得持分と追加投資額との差額を「のれん」又は「負ののれん」として処理します。また、子会社株式を一部売却した場合(支配関係が継続している場合に限る)は売却持分と売却価額の差額を「持分変動損益」に計上します。

【公開草案】

子会社株式の追加取得・一部売却等は、損益取引とせず、資本取引として扱うことになります。

このため、子会社株式を追加取得した場合、追加取得持分と追加投資額との差額は「資本剰余金」とされます。同様に、子会社株式を一部売却した場合(支配関係が継続している場合に限る)の売却持分と売却価額の差額も「資本剰余金」に計上されます。

なお、非支配株主との取引に係る親会社の持分変動表を注記します(個別財務諸表においては当該注記は不要)。

b) 共通支配下の取引における個別財務諸表上の会計処理

【現行】

追加取得する子会社株式の取得原価は、個別財務諸表上、追加取得時における当該株式の時価とその対価となる財の時価のうち、より高い信頼性をもって測定可能な時価で算定します。

【公開草案】

非支配株主から自社の株式のみを対価として追加取得する子会社株式の取得原価は、個別財務諸表上、当該子会社の適正な帳簿価額による株主資本の額に基づいて算定します。

(3)  取得関連費用の取扱い

【現行】

企業結合における取得関連費用のうち、外部のアドバイザー等に支払った特定の報酬・手数料等について取得原価に含め、その他は発生した事業年度の費用とします。

【公開草案】

企業結合における取得関連費用は、発生した事業年度の費用として処理します。なお、取得原価に含められなかった取得関連費用は注記することとなります。

(4)  暫定的な会計処理の確定の取扱い

企業結合における取得原価の配分作業が実務的に困難な状況においては、企業結合年度において暫定的な会計処理を行い、翌年度に暫定的な会計処理の確定が行われる場合があります。この翌年度における暫定的な会計処理の確定の取扱いは以下のように変更されます。

【現行】

企業結合年度に当該確定が行われたとしたときの損益影響額は、企業結合年度の翌年度において、のれんの額を修正し、特別損益に計上します。

【公開草案】

比較情報の有用性を高め、財務諸表の期間比較可能性を確保する観点から、企業結合年度に当該確定が行われたかのように財務諸表を作成します。

すなわち、企業結合年度の翌年度の財務諸表と併せて企業結合年度の財務諸表を表示する場合は、比較情報となる当該企業結合年度の財務諸表に、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを反映させます。

2.適用時期等

適用時期

(1)  表示方法に係る事項(当期純利益の表示及び少数株主持分から非支配株主持分への変更)

平成27 年4 月1 日以後開始する連結会計年度の期首から適用します。早期適用は認められません。

(2)  子会社株式の追加取得・一部売却等の取扱い

平成27 年4 月1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用します。

(3)  取得関連費用の取扱い

(2)と同じ。

(4)  暫定的な会計処理の確定の取扱い

平成27 年4 月1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首以後実施される企業結合から適用します。

経過措置

上記(2)子会社株式の追加取得・一部売却等及び(3)取得関連費用の取扱いについては、遡及適用を行わないことができます。

上記(1)の表示方法に係る事項については、適用初年度において当期の連結財務諸表に併せて表示されている過去の連結財務諸表の表示の組替えを行うとされています。

早期適用

上記(1)の表示方法に係る事項を除く、すべての取扱いを同時に適用する場合には、平成26 年4 月1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首((4)暫定的な会計処理の確定の取扱いは平成26 年4 月1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首以後実施される企業結合)から適用することができます。

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