※ 改訂IAS第19号「従業員給付」については、4回シリーズにて解説します。ここでは、改訂IAS第19号「従業員給付」において定められている従業員給付の概要について解説します。
当基準の適用範囲
改訂IAS第19号「従業員給付」は、IFRS第2号「株式報酬」が適用されるものを除き、事業主のすべての従業員給付に関する会計処理に適用されます。
分類
従業員給付は、以下のように分類されます。
① 決済期間による分類
- 退職後決済 ⇒ 退職後給付
掛金拠出後債務なし : 確定拠出制度
〃 債務あり : 確定給付制度
- 1年超決済 ⇒ 長期従業員給付
- 1年内決済 ⇒ 短期従業員給付
② その他
- 解雇給付
確定拠出制度の会計処理
確定拠出制度の会計処理については、日本基準と同一です。
従って、基金等への拠出額を費用認識します。
確定給付制度の会計処理の概要
確定給付制度の会計処理は、以下のステップにより実施されます。
【Step 1】確定給付制度の積立不足額又は積立超過額の決定
【Step 2】確定給付負債(=退職給付引当金)又は資産(=前払年金費用)の金額を決定
【Step 3】利得又は損失として計上する金額を決定
【Step 4】確定給付負債(又は資産)の再測定を実施し、その他の包括利益で計上される金額を決定
※ 確定給付制度の会計処理については、次回「IAS第19号『従業員給付』②」において解説します。