「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い」の改正

改正の概要

日本公認会計士協会の監査・保証実務委員会より、平成23年8月10日に「監査・保証実務委員会報告第82号「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い」の改正について」が公表されました。

本改正は、金融庁から平成23年3月29日付けで「財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令」が公表されたこと、また、企業会計審議会から平成23年3月30日付けで「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」が公表され、内部統制基準・実施基準が改訂されたこと等に対応して、所要の改正が行われたものです。

主な改正内容

企業会計審議会が、内部統制対応の更なる明確化・簡素化を目的として内部統制基準・実施基準を改訂したこと等に伴い、内部統制監査の実務上の取扱いも、以下の点を主眼として改正されました。

  • 基準改正にともない「重要な欠陥」を「開示すべき重要な不備」に改正。
  • 経営者が実施する内部統制の評価方法等を適切に理解・尊重した上で、内部統制監査を実施する必要がある。
  • 経営者による内部統制の整備・運用状況及び評価の状況を十分理解し、監査上の重要性を勘案しつつ、内部統制監査と財務諸表監査を効果的かつ効率的に実施し、一層の一体的実施を図る必要がある。
  • 中小規模企業(事業規模が小規模で、比較的簡素な構造を有している組織等)の内部統制監査上の留意点の追加
  • 内部統制監査報告書の記載区分が3区分から4区分に変更されたこと等に伴う内部統制監査報告書の記載内容や文例の見直し

適用時期

平成23年4月1日以後開始する事業年度における内部統制監査から適用されます。

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