IFRS第9号「金融商品」（金融負債　分類及び測定）

金融負債の当初測定

金融負債は、当初認識時において公正価値で測定します。

なお、通常は「公正価値　＝　債務額」であることが多いため、日本基準による認識額と結果的に同一となる場合が多いと考えられます。

一方、負債の発行に直接関連する取引費用は、基本的に負債の当初認識額（取引費用考慮前）より控除します。

例えば社債発行費については、重要性が乏しい場合を除き、負債の当初認識額より控除する必要があります。

この点で、日本基準との差異が生じる可能性があります。

金融負債は、基本的には、事後において償却原価により測定するものとして分類されます。

この場合、事後測定時に生じる評価差額は純損益（≒P/L）へ計上します。

なお、償却原価は、実効金利法により実施します。当該実効金利法とは、日本基準における利息法とほぼ同一の概念です。

金融商品に関連する開示の必要量は、他の基準に関する開示と比較すると量が多いです。

現状では、金融商品の開示を定める基準は、IFRS第7号「金融商品　―　開示」です。

但し、当該基準は、現在行われている金融商品関連の基準改訂に伴い、今後も大幅な改訂が行われることが予想されます。例えば、IFRS第7号中に定められている公正価値に関する開示は、IFRS第13号「公正価値測定」の公表により、そのボリュームが増加しています。