改正の概要
金融庁より、平成23年6月30日に「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」(内閣府令第30号)が公表されました。
この改正は、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」の改正において、一定の特別目的会社が出資者の子会社に該当しないものとする推定規定の見直しが行われたこと等に対応するものです。
主な改正内容
財規第8条7項の改正
改正前は、財規第8条7項の一定の要件を満たす特別目的会社については「特別目的会社に対する出資者」及び「当該目的会社に資産を譲渡した企業」の子会社に該当しないものと推定するとされていました。本改定により当該取扱いは「当該目的会社に資産を譲渡した企業」のみに適用されることとなりました。
開示対象特別目的会社に係る注記
財規8条7項の改正に伴い、出資者の子会社に該当すると推定されることとなった特別目的会社は、開示対象特別目的会社の範囲から除外されました(財規8条9項2号、連結財規13条2項4号)。
ノンリコース債務の表示
- 連結の範囲に含めた特別目的会社に関して、ノンリコース債務(注)については、連結貸借対照表上、当該ノンリコース債務を示す名称を付した科目をもって、流動負債又は固定負債に表示します。なお、当該記載に代えて、注記によることもできます。また、ノンリコース債務に対応する資産については、当該資産の科目及び金額を注記します。(連結財規41条の2、中間連結財規43条2等)
(注)ノンリコース債務:連結の範囲に含めた特別目的会社に関して、当該特別目的会社の資産及び当該資産から生じる収益のみを返済原資とし、他の資産及び収益に遡求しない債務。
- 社債明細表において、特別目的会社の発行している社債がノンリコース債務に該当する場合には、欄外にその旨を記載します。(連結財規様式9号)
- 借入金等明細表において、ノンリコース債務は、短期借入金・リース債務等とは別に科目ごとに区分して記載します。(連結財規様式10号)
四半期報告の規定の明確化
- 潜在株式調整後1株当たり四半期純利益金額の注記について、希薄化効果を有しないため算定に含まれなかった潜在株式の「その旨、潜在株式の種類及び潜在株式の数」の記載は不要であり、「前事業(連結会計)年度末から重要な変動がある場合にはその概要」のみであることが明確化されました。(四半期連結財規ガイドライン78、四半期財規ガイドライン70)
- 売上高又は営業費用に著しい季節的変動がある場合に必要とされる注記は、四半期(連結)累計期間に関するものであることが明確化されました。(四半期連結財規81条、四半期財規72条)
- 重要な事業分離における分離元企業の影響額の注記は、四半期累計期間のみに限定されました。(四半期財規19条)
適用時期
平成25年4月1日以後に開始する事業年度に係る財務諸表、連結会計年度に係る連結財務諸表について適用されます。なお、平成23年4月1日以後に開始する事業年度に係る財務諸表、連結会計年度に係る連結財務諸表から適用することもできます。(附則2条、3条、4条)