IAS第10号 後発事象

後発事象の概要

基準の改訂について

IFRS(国際財務報告基準)では、後発事象に関する会計基準として、「IAS第10号」があります。現在、当該基準に対しては特段の改訂は予定されていません。

一方、我が国では、後発事象に関する会計基準は存在しないものの、「後発事象に関する監査上の取扱い」が実務上の指針として利用されています。

これをうけて現在、我が国でも日本基準とIFRSとのコンバージェンス(収れん)の観点から、「後発事象に関する会計基準(案)」を策定している段階にあります。

日本基準とIFRSの異同について

(1)後発事象の定義

後発事象とは、報告期間末日後に生じた会計事象を意味し、IFRSと日本基準とでほぼ同一の概念です。

(2)修正後発事象(※)

(※)修正後発事象=その原因が期末日時点で存在していたため、財務諸表の修正を検討すべき後発事象

修正後発事象が発生した場合の取扱いについて、IFRSと日本基準とでほぼ同一です。すなわち、財務諸表の修正を行うか否かの検討を行います。

ただし、当該事象が発生した時点において、 IFRSと日本基準とで以下の通りその取扱いに差異が生じる可能性があります。

後発事象発生時点 IFRSでの取扱い 日本基準での取扱い
計算書類(会社法)の監査報告書日までに発生した修正後発事象 財務諸表の修正を検討
計算書類(会社法)の監査報告書日から有価証券報告書(金融商品取引法)の監査報告書日までの発生した修正後発事象 財務諸表の修正を検討 財務諸表は修正せず、当該内容の開示を検討

(3)開示後発事象(※)

(※)開示後発事象=翌事業年度以降の財務諸表に影響を及ぼすため、その内容の開示を検討すべき後発事象

開示後発事象が発生した場合の取扱いについて、IFRSと日本基準とでほぼ同一です。すなわち、財務諸表での開示を行うか否か検討します。

(4)配当

IFRSと日本基準とでほぼ同一の取扱いを行います。

(5)継続企業

IFRSと日本基準とでほぼ同一の取扱いを行います。

(6)開示

IFRSと日本基準とでほぼ同一の取扱いを行います。

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