「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」等の改正

改正の概要 

平成23年1月18日、日本公認会計士協会より、以下の実務指針等の改正が公表されました。これは、企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」及び企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」等に対応するため、表現の明確化及び字句修正などの所要の改正を行ったものです。 

改正された実務指針等

  • 会計制度委員会報告第6号「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」
  • 会計制度委員会報告第7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」
  • 会計制度委員会報告第8号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」
  • 会計制度委員会報告第9号「持分法会計に関する実務指針」
  • 会計制度委員会報告第10号「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」
  • 会計制度委員会報告第11号「中間財務諸表等における税効果会計に関する実務指針」

「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」の公表に伴う改正

 「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」の改正

  •  資金の範囲の変更は、「会計方針の変更」として取り扱われます。また、一定の注記が求められます(第4項)。 
  • ある特定のキャッシュ・フロー項目についてキャッシュ・フロー計算書における表示区分を変更した場合など、キャッシュ・フローの表示の内訳の変更については、「表示方法の変更」に該当します(第6項)。
  •  「営業活動によるキャッシュ・フローに関する表示方法」(直接法又は間接法)を変更した場合には、「表示方法の変更」に該当します(第12項)。
  •  資金の範囲を変更した場合、「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」第11 項(3)において求められる、表示期間のうち過去の期間について、影響を受ける財務諸表の主な表示科目に対する影響額の記載に当たっては、「変更の影響を受けた各表示区分の合計額」、「現金及び現金同等物の増減額」並びに「現金及び現金同等物の期末残高」に与える影響額を記載します(第30項)。

 「包括利益の表示に関する会計基準」の公表に伴う改正

 「持分法会計に関する実務指針」の改正

  •  持分法適用会社の評価・換算差額等のうち投資会社の持分又は負担に見合う額を算定して投資の額を増額又は減額する際、当該増減額は「連結包括利益計算書」又は「連結損益及び包括利益計算書」上の「その他の包括利益」においては、「持分法を適用する被投資会社のその他の包括利益に対する投資会社の持分相当額」として一括して区分表示します。
  • ただし、「連結貸借対照表」上の「その他の包括利益累計額」においては、従来の取扱いに従い、その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定等の各内訳項目に当該持分相当額を含めて表示することに留意する必要があります(第10項)。

その他

 「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」の改正

連結財務諸表原則の表記から、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」の表記に改正されました。

 例)「連結調整勘定(のれん)」→「のれん(又は負ののれん)」

 「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」の改正

  • 税効果に適用される税率が変更された場合には、決算日現在における改正後の税率を用いて、当期首における繰延税金資産及び繰延税金負債の金額を修正することになりました(第19項)。
  • 回収可能性を見直した結果生じた繰延税金資産の修正差額は、見直しの対象となった年度における損益計算書上の法人税等調整額に加減することになりました(第23項)。

 適用時期 

「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」の公表に伴う改正

 平成23年4月1日以後開始する事業年度の期首以後に行われる会計上の変更及び過去の誤謬の訂正から適用されます。

 「包括利益の表示に関する会計基準」の公表に伴う改正

 平成23年3月31日以降終了する連結会計年度の年度末に係る連結財務諸表から適用されます。

その他の改正

 上記以外は、平成23年1月12日から適用されます。

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