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改正企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」等の公表について
Posted At 2026年7月10日 @ 3:12 PM In 企業会計 | Comments Disabled
企業会計基準委員会(以下、「ASBJ」)は、2026年6月2日に以下の企業会計基準及び移管指針(以下、「本改正会計基準等」)を公表しました。
■改正企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」
■改正移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」
■改正企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」
我が国では、金融資産の譲渡において、その譲受人が企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」(以下、「金融商品会計基準」)の要件を充たす特別目的会社(以下、「SPC」) である場合、改正前基準では、当該SPCが発行する「証券の保有者」を当該金融資産の譲受人とみなして金融商品会計基準第9項(2)の金融資産の消滅の認識要件を適用するとされていました。
この点に関して、2024年12月に開催された第537回企業会計基準委員会において譲受人 がSPCである場合の金融資産の消滅範囲の明確化について検討することが企業会計基準諮問会議により提言されたことを受け、ASBJは2025年12月より審議を開始、検討を重ねた結果、今回公表するに至ったものです。
金融商品会計基準第9項(2)は、「譲受人が譲渡された金融資産の契約上の権利を直接又は間接に通常の方法で享受できること」を金融資産の消滅の認識要件の1つとして定めています。
本改正前の金融商品会計基準は、「譲受人」が一定の要件を充たす特別目的会社(SPC)の場合、当該SPCが発行する「証券の保有者」を当該金融資産の譲受人とみなして金融商品会計基準第9項(2)を適用することと定められていました。
金融資産のSPCへの譲渡は、資金調達に加え、金融資産の会計上の消滅処理(オフバランス処理)によるROA等の財務指標改善を目的として行われることがあります。改正前基準では、SPCが株式や社債等により資金調達を行う場合(譲受人が「投資者」である場合)はオフバランス処理となる一方で、借入金により資金調達を行っている場合(譲受人が「融資者」である場合)にはオフバランス処理にならない可能性があり、譲渡された金融資産の契約上の権利を享受しているという状況は「投資者」も「融資者」も同様であるにも関わらず、会計処理が異なる可能性があるという実務上の課題がありました。
会計基準の趣旨は、譲渡された金融資産から生じるキャッシュ・フローを譲受人が実質的に受け取ることができるかどうかの評価を求めるものであると考えられますが、この評価においては、SPCが発行する証券を保有している「投資者」とSPCに対して貸付けを行っている「融資者」とで異なる取扱いを設ける特段の理由はないと考えられるため、今回の改正基準では、SPCに対する「融資者」を「投資者」と同様に取り扱うこととされました。
また、本改正金融商品会計基準を踏まえると、譲渡人が譲渡金融資産から生じるキャッシュ・フローを実質的に受け取ることになる部分の譲渡はなかったものとする移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」第40項においても、SPCに対して貸付けを行う「融資者」をSPCが発行する証券を保有する「投資者」と同様に取り扱うことが同項の趣旨に沿うと考えられるため、改正移管指針第9号においても、SPCに対する「融資者」を「投資者」と同様に取り扱うことが示されました。
SPCを譲受人とする金融資産の譲渡を行う企業は、通常、会計上の取扱いを十分に検討した上でスキームを構築していると考えられ、本改正会計基準等は、検討を進めている金融資産の譲渡の会計処理に影響を与える可能性があり、一定の準備期間が必要と考えられます。
このため、本改正会計基準等について 2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首以後実施される金融資産の譲渡から適用することとされました。
また、早期適用については、できる限り速やかに適用可能とすることに対するニーズが存在することを考慮して、2026年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首以後実施される金融資産の譲渡から適用できることとされています。
適用初年度において、これまでの会計処理と異なることとなる場合には、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱うこととされています。
しかし、SPCを譲受人とする金融資産の譲渡を行う企業は、通常、会計上の取扱いを十分に検討した上でスキームを構築していると考えられるため、スキーム実行時に想定していなかった会計処理となるように遡って見直すことは、原則として求めるべきではないと考えられます。このため、適用前に実施された金融資産の譲渡の会計処理について、適用日における会計処理の見直し及び遡及的な処理は行わないこととされています。
詳細は、以下をご参照ください。
https://www.asb-j.jp/jp/accounting_standards/y2026/2026-0602.html [1]
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