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IFRS第3号「企業結合」の概要
Posted At 2012年2月29日 @ 9:57 AM In ナレッジ情報,海外基準 | Comments Disabled
企業結合とは、取得企業が1つ又は複数の事業に対する支配を獲得する取引、又はその他の事象です。
取得したものが「事業(注)」に該当する場合は、以下の「2.取得法による認識」に従った会計処理を行います。
一方、「事業」には該当しない資産グループの取得取引である場合には、他のIFRSの定めに従い各々の会計処理を行います。
(注)事業とは、投資家に対して配当、費用逓減、その他の経済的便益の形式によるリターンを、直接提供する目的で経営管理される、統合された1組の活動及び資産のことをいいます。
企業結合の会計処理は、取得法(注)に基づき行う必要があります。
(注)取得法とは、いわゆるパーチェス(購入)法と同一の概念です。ただし、必ずしも「購入」により企業結合が行われる訳ではないことから、IFRSでは「取得法」との表現が用いられています。
取得法による会計処理は、以下のステップを経て行われます。
① 取得企業の決定
② 取得日の決定
③ 識別可能資産、負債、非支配持分の認識、測定
④ のれんの認識、測定
① 取得企業の決定
取得法として会計処理を行うためには、まず取得企業を決定します。対等合併や逆取得のように、その判定が一見して単純ではない場合には、注意が必要です。
② 取得日の決定
被取得企業に対する支配を獲得した日において、取得した資産、負債等を公正価値により測定します。このため、取得日の決定は慎重に行う必要があります。
③ 識別可能資産、負債、非支配持分の認識、測定
IFRSにおける資産、負債の定義を満たすもの、及び企業結合取引の一部として交換したものを認識します。 このため、被取得企業では認識していなかった無形資産(ex. 自己創設ブランド)等を認識する可能性があります。
④ のれんの認識
無形資産に含めるべきもの、含めるべきでないものの再確認を行ったうえでのれんを認識します。 認識されたのれんは、その後の年度において償却は行わず、毎期減損テストを実施します。
IFRS : 償却せず、毎期減損テスト実施
日本基準 : 20年以内に定額法その他の方法により規則的に償却 (重要性が乏しい場合を除く)
(注)負ののれんについては、両基準とも発生時に利益として認識するため、同一の取扱いです。
IFRS : 費用処理
日本基準 : 取得の対価性が認められるものは、取得原価に含めます
IFRS : 非支配持分に対応するのれんを含める、又は含めない処理の双方が認められています
日本基準 : 非支配持分に対応するのれんは含めない処理のみ認められています
IFRSの初度適用時は、原則として会社設立当初まで遡って、IFRSにおいて要求されている会計処理を行う必要があります。
但し、企業結合に関連する会計処理の全てを遡及適用した場合、その影響は極めて大きいことが予想されます。 このため、IFRSへ移行した日以後の企業結合のみに、当基準を適用することを選択することが認められています。
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