IASBが実務記述書第2号「重要性の判断の行使」と公開草案「『重要性がある』の定義」を公表

1.はじめに

国際会計基準審議会(以下、「IASB」)は、2017年9月14日に、重要性の判断をどのように行うのかに関するガイダンスを公表しました。

この公表物は、企業がIFRSの要求事項をチェックリストとして使用するのではなく判断を適用することを促し、財務諸表が投資者に有用な情報に焦点を当てるようにするものです。
またIASBは、財務諸表における「重要性がある」情報の定義の明確化の提案についての協議も別個に行っています。

2.実務記述書第2号「重要性の判断の行使」について

企業は、重要性の判断を、どのような情報を開示すべきか及びどのように表示すべきかを決定する際だけでなく、認識及び測定に関する決定をする際にも行います。

一部の企業は、重要性の判断をどのように行うのかについて確信が持てず、IFRS基準における開示要求をチェックリストとして使用しています。行動の変化を促し、そうした判断を行う企業への支援を提供するため、IFRS実務記述書第2号「重要性の判断の行使」が公表されました。

この実務記述書は、IFRS基準におけるすべての重要性の要求事項を集めるとともに、情報に重要性があるかどうかを企業が決定する際に有用となる可能性のある実務ガイダンスと設例を加えています。実務記述書は強制ではなく、要求事項を変更したり新たな要求事項を導入したりするものではありません。

3.公開草案「『重要性がある』について

IASBは、「重要性がある」の定義の修正案も、公開草案として公表し、一般のコメントを募集しています。

公開草案「『重要性がある』の定義」は、定義を明確化し現行の要求事項への理解を向上させるため、IAS第1号「財務諸表の表示」及びIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」の小幅な修正を提案しています。

IASBでは、当該公開草案に対するコメントを、2018年1月15日まで募集しています。

4.参考資料

詳細は以下をご覧ください。
https://www.asb.or.jp/jp/ifrs/press_release/y2017/2017-0914.html

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