「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」の公表について

1.はじめに

平成25年6月19日に、企業会計審議会より「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」が公表されました。

これは、企業会計審議会総会、企画調整部会合同会議におけるこれまでの議論や国内外の動向等を踏まえ、IFRSへの対応のあり方について、当面の方針が取りまとめられたものです。

2.IFRS任意適用要件の緩和

現行のIFRSの任意適用要件は、以下の3つです。
(1)上場していること
(2)IFRSによる連結財務諸表の適性性確保への取組、体制整備をしていること
(3)国際的な財務活動又は事業活動を行っていること

しかし、近年、IFRSを適用することにより国際的な同業他社との比較可能性を高めることへのニーズが高まっていることから、任意適用の対象を上記要件のすべてを充たす企業に限定する必要はないとされました。

この結果、(2)の「IFRSによる連結財務諸表の適性性確保への取組、体制整備をしていること」を充たすのであれば、IFRSの任意適用を行えることとされました。

3.IFRSの適用方法

これまで任意適用の対象とされているIFRSは、なんらの修正を行わない「ピュアなIFRS」ですが、IFRS任意適用数の増加を図る中、我が国における柔軟な対応を確保する観点から、「我が国に適したIFRS」を適用することが可能とされました。

この「我が国に適したIFRS」は、現在ASBJ(企業会計基準委員会)において審議中です。また、「ピュアなIFRS」から削除又は修正される項目は、国際的にも合理的に説明できる範囲に限定すべきとされています。

さらに、当該基準を認めることにより、我が国には日本基準、米国基準、ピュアなIFRS、我が国に適したIFRSの4つの基準が併存することになります。しかし、この状況はIFRSの任意適用数が増えるうえでの大きな収れんの流れでの1つのステップとして位置づけることが適当とされています。

4.単体開示の簡素化

上述のIFRSに関する事項の他に、単体及び連結財務諸表の双方を開示する企業に関しては、単体財務諸表の開示を簡素化する方向で審議が行われています。

当該資料は、以下より入手できます。
http://www.fsa.go.jp/news/24/sonota/20130620-2/01.pdf

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